「出かけたいけど出かけたくない」気持ちになる理由と対処法を解説

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出かけたいけど 出かけたくない気持ち 心理学の知識

こんにちは、もっちです。

「出かけたいけど出かけたくない」──そんな気持ちになったこと、ありませんか?

そんな状態は誰にでも起こりますが、長く続くと心がしんどくなることもあります。

今回の記事では、「出かけたいけど出かけたくない」という気持ちになる背景要因について解説し、対処法をご紹介したいと思います。

※今回の記事もボリュームがあるので概要ページを用意しました。
概要を確認したい方はこちらからどうぞ→まとめPDF

 

この記事を書いた人
motchi(もっち)

関西で活動中の臨床心理士。大学・大学院在学中より、不登校状態にある児童生徒の支援活動に携わる。卒後、自治体の運営する適応指導教室、市役所の児童福祉部署で不登校、子育て、児童虐待など、子どもに関する相談支援事業に従事。
現在は、NPO法人で引きこもりや生きづらさを抱える若者、そのご家族への相談支援に携わっている。

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  1. 「出かけたいけど出かけたくない」 その状態が続くのはひきこもり?
    1. 「出かけたいけど出かけたくない」ってどんな状態なの?
    2. それってひきこもりなの?
  2. 出かけたくない気持ちになる背景要因とは
    1. 心理的要因
        1. ストレス状態が続く・疲労の蓄積
        2. 人間関係の悩み
        3. 過去のトラウマや嫌な経験
        4. 自己肯定感の低下
    2. 性格傾向
    3. 身体的要因
        1. 体調不良・睡眠不足
        2. ホルモンバランスの崩れ
        3. 甲状腺など内分泌系の疾患
    4. 環境的要因
        1. 引っ越しなどによる環境変化の影響
        2. 職場や学校での問題
    5. 要注意!病気が隠れている可能性
    6. 病気の可能性が考えられる場合はどうする?
  3. 出かけたくない状態から脱出するためのステップを解説
    1. 自分に対する認識を少し変えてあげよう
    2. 行動を少し変えてみよう
    3. 生活習慣を整えよう
    4. 心の安全基地を作ろう
    5. やってみたいこと、行ってみたい場所をリストアップしてみよう
    6. 行きたくない場所、会いたくない人、やりたくないことの特徴を掴もう
    7. 少しずつ社会との接点を持ってみよう
  4. まずはここから 〜『居場所』で過ごしてみる〜
    1. 自治体やNPOが運営する『居場所』
    2. どんな『居場所』があるの?
  5. 視点を変えてみよう 出かけることだけが正解ではない
  6. 「どうしたら良いかわからない」と思ったら
    1. 相談窓口を活用しよう
    2. カウンセリングも少しは役に立つかもしれない

「出かけたいけど出かけたくない」 その状態が続くのはひきこもり?

「出かけたいけど出かけたくない」。そんな気持ちになって、外出ができない状態が続くと、「それってひきこもりなのでは?」と心配になるかもしれません。

ここでは、「出かけたいけど出かけたくない」状態とはどういうことなのかと、「ひきこもり」の状態について解説します。

「出かけたいけど出かけたくない」ってどんな状態なの?

私たちはいろいろな目的で外に出かけます。楽しい用事もあれば、気が重い用事もあります。

また、外出することが好きで、あちこちへ出かけることがエネルギー回復を図る方法になる人もいれば、なるべく家の中に居て、静かに過ごす方が回復できる人もいます。

『出かける』ということには、人それぞれに意味があります。

ところが、時に私達は、「出かけたいけど、出かけたくない」という矛盾した気持ちになったり、「出かけていく必要があるけど行きたくない」という気持ちになったりすることがあります。

このような心の状態は、一時的には、誰にでも起こりうることです。

その要因は様々ですが、以下のような状況は想像しやすいのではないでしょうか。

  • 学校や仕事で疲れ切ってしまっている
  • 雨の中を出かけて、濡れてしまうのは嫌だ
  • 朝早く家を出なければならないのがしんどい
  • 苦手な人と会わなければならないので気が進まない   など

一時的なことであれば、大きな問題になることは無いと思いますが、それが連日続いたり、長期間になると、このままで良いのだろうかと不安になったり、「ひきこもり」の状態になるのではないかと心配になったりすることがあります。

筆者が以前、相談を受けた親御さんは、家から出ることを嫌がるお子さんが「このままひきこもってしまわないか」と心配し、その胸中を打ち明けてくださったことがあります。

他にも、お子さんが出かけるのを嫌がる、学校へ行きたがらないという状態が数日見られ、「長期化する前になんとかしたい」と相談に来られた方もいらっしゃいました。

みなさん、「このままではひきこもりになるのではないか」と危機感を覚えておられたのです。

 

それってひきこもりなの?

上記のような相談に来られた親御さんが、「このまま社会との接点がなくなってしまったらどうしよう」と心配されるのも、ごもっともなことだと思います。

しかし、外出を嫌がる、学校に行きたがらないことが即ち「ひきこもりになる」とは言い切れません

一時的にそういう気持ちになって、原因を取り除けば問題なく外に出かけたり、学校へ行けるようになったりする方も多くいらっしゃいます。

何故かわからないけれど、いつの間にか外に出かけることが増えていったという方もいらっしゃいました。その方は、お話を伺うと「ちゃんと休む時間ができたからかな」と振り返っておられました。

それでは、「ひきこもり」とはどういうものなのでしょうか。

厚生労働省の定義は、以下のとおりです。

様々な要因の結果として社会的参加(就学、就労、家庭外での交遊など)を回避し、原則的には6ヵ月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態を指す現象概念(他者と交わらない形での外出をしていてもよい)

「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」(平成22年5月)

学校や仕事にいかない、他者との交流がない状態が、6ヶ月以上続いていることが、「ひきこもり」であるとされています。

そして、「ひきこもり」は何らかの要因によって引き起こされた結果としての状態であり、特定の病気や障害ではないことが明示されています。

令和5年3月に公表された「こども・若者の意識と生活に関する調査」によると、「ひきこもり」の状態にある人は、15~64歳で約146万人と推計されており、50人に1人の割合と言われています。

この数値は決して少なくないものであり、「ひきこもり」という状態は、普遍的に社会に存在する現象であると言えます。

また、背景要因やきっかけとなるできごとは多岐にわたり、誰もが経験し得るストレスや挫折が関与していることも、調査から見えてきました。

こうしたことから、「ひきこもり」という現象は誰にでも起こり得ることだと言えます。

しかし、「出かけたくない」という気持ちの背景にある要因を整理し、対処方法を見つけたり、回復の道のりを知ったりすることで、少しずつ状況を変えていくことができると、皆さんには知っていてほしいです。

 

出かけたくない気持ちになる背景要因とは

さて、それでは「出かけたくない」という気持ちになる背景要因には、どのようなものがあるのでしょうか。

主な理由を見てみましょう。

出かけたくない気持ちに影響する要因

出かけたくない気持ちに影響する要因とは

心理的要因

私達の心理状態と身体の状態とは、密接に関連しています。心理的にしんどくなっている状態は、身体のエネルギーの低下や、外に出かけようという気力を低下させる要因になることがあります。

ストレス状態が続く・疲労の蓄積

競争、情報過多、人間関係の複雑化などによって、多くの人々が心身の不調を感じやすい社会になっています。

ストレス状態が長く続くと、自律神経がバランスを崩し、イライラしやすくなったり、身体的疲労の回復が難しくなったりして、心身が非常に疲れた状態になります。

心身の疲弊は、外に出かけていこうという気力やエネルギーの低下を招き、結果として、「出かけたくない」気持ちになったり、人との交流を避けようとすることに繋がります。

このような状態が続く場合は、心身ともに、しっかりとした休養が必要です。

 

人間関係の悩み

職場や学校、あるいは地域で、人間関係がうまくいかない、トラブルが生じているといった状況では、人と会いたくない気持ちが強くなります。

このような状況では非常に強いストレスを感じ、その場面を避けるため、外出しようという気持ちが削がれることに繋がります。

人間関係の悩みから人との繋がりを避け続けていると、孤立につながることもあります。

無理に人と会う必要はありませんが、安心できる、信頼できる人と少し繋がっておくとことができると良いでしょう。

 

過去のトラウマや嫌な経験

出かけていった先で嫌な思いをした、傷ついたという体験があると、そういった場面を避けるために外出をやめておこうと思うことがあります。

例えば職場や学校で失敗した経験、人前で恥ずかしい思いをした経験が、「また同じようなことが起こったらどうしよう」という不安(予期不安)を喚起して、外出することや人と会うことを避ける事に繋がります。

失敗体験や傷ついた経験があると、人と関わることに恐怖や緊張が結び付き、無意識のうちにそれを避けようとする心理が働きます。

このような場合には、安心できる環境で少しずつ成功体験を積み重ねることで、徐々に恐怖や緊張が和らぐことがあります。

 

自己肯定感の低下

失敗などの経験から、自分自身への評価が下がり、自己肯定感が低下している場合もあります。

「どうせ自分のことなんて誰も気にしてくれない」、「自分なんか嫌われてしまうに違いない」等といった確信が、人との関わりを遠ざけてしまいます。

また、自己肯定感が低い状態では、「人の目にどう映るだろうか」、「人から変に見られるのではないか」というように、他者からの評価を過剰に気にする傾向が強まります。

そしてその評価は「悪いものに違いない」と思い込み、人目を気にして出かけることを避けるようになります

この場合、小さな目標から徐々に成功体験を積み上げていったり、信頼できる人に気持ちを聞いてもらい、客観的に自分を見る機会を持つなどして、自己肯定感の回復を図ることが、外に出かけることへの不安を和らげることに繋がります。

 

性格傾向

性格傾向も、外出に対する意識に影響を与えることがあります。

人に対して気を遣いすぎる性格の人や、自分が人にどう見られるかを気にしやすい人は、人間関係において気疲れしやすく、人と会うこと自体が負担に感じることがあります。そうした負担感が積み重なると、人に会うことが億劫になり、外出しようという気力も低下してしまいます。


完璧主義や責任感の強い性格の人
は、何でも完璧にこなさなければならない、他人に任せておけないという風に考え、非常に強いプレッシャーを自分にかけてしまいがちです。
外出すること、人との交流についても「完璧に振る舞わなければ」「失敗してはいけない」と考え、無意識のうちにプレッシャーを感じたり、ストレス状態に陥っていたりします。

そのような状況にあると、心身のエネルギーを消耗し、休息しているつもりでも休まっておらず、疲弊し、結果として外出や人と会うことを避ける事に繋がります。

この場合には、「完璧でなくても大丈夫」と、自分自身に対する認識を変化させたり、小さな成功体験を積み重ねていくことや、意識的に休息を取ることが、心身のエネルギーの回復や外出意欲の回復に繋がっていきます。

 

身体的要因

「出かけたくない」気持ちに繋がるのは、心理的な要因、性格傾向だけではありません。身体の状態が、外出を避ける要因になることもあります。

体調不良・睡眠不足

風邪をひいていたり、頭痛や腹痛など身体的な不調があると、外出せずに休んでいたいと思うことは自然なことです。

一時的な体調不良の場合、症状が収まり元気になると、外出意欲が回復してきます。

しかし、休息がしっかり取れていなかったり、十分な睡眠が取れていない場合、身体の回復が難しくなることがあります。

 

ホルモンバランスの崩れ

女性の場合、月経や更年期の影響で、ホルモンのバランスが崩れてイライラしやすくなったり、倦怠感が続くなどの症状が現れることがあります。

また、女性に限らず、ストレスや生活習慣の乱れ、加齢などによりホルモンバランスが崩れることもあります。

こうしたことから、心身のエネルギーが消耗された状態となり、外出や人と会うことが億劫になったり、しんどいと感じることがあります。

 

甲状腺など内分泌系の疾患

甲状腺、副腎、下垂体などの異常によりホルモン分泌が多すぎたり少なすぎたりすることが、動悸や倦怠感、疲労感などを引き起こすことがあります。

これらの症状から、外出や人との関わりを億劫に感じたり、避けようとしたりすることに繋がります

 

環境的要因

心身の状態だけではなく、私達を取り巻く環境も、外出意欲に大きく関わります。

引っ越しなどによる環境変化の影響

転勤や結婚などを機に知らない土地へ引っ越したり、友人など親しい関係の人が遠くへ行ったりすることで地域での人間関係が希薄になると、孤立感や孤独を感じることがあります。

そうした孤独感などを相談できない状況が続くと、大きなストレスとなります。

社会的に孤独を感じやすい状態だと、「どうせ自分は一人だ」、「出かけても話し相手もいない」という気持ちになり、出かけたくない気持ちになることがあります

はじめは戸惑うこともあるかもしれませんが、少しずつ地域行事に参加したり、近所の人には積極的に挨拶をするなどして、地域との繋がりを作っていくことを意識すると良いでしょう。

 

職場や学校での問題

ハラスメントやいじめなど、特定の関係の中で問題が起こっている場合や、人間関係の難しさ仕事の容量オーバーなど、ストレスによる負荷が大きい状況が継続的に起こっている場所は、回避したくなるものです。

このような状況がある場合は、学校なら先生やスクールカウンセラーに、職場なら上司や産業医に相談し、環境改善を図ることが必要となるでしょう。

 

要注意!病気が隠れている可能性

上記のように様々な要因が複雑に絡み合い、「出かけたいけど出かけたくない」、「出かける必要があるけど行きたくない」という気持ちになることがありますが、時には精神疾患、あるいは身体の病気が隠れていることがあります。出かけたくない気持ち、外出が怖いと感じることに関連する病気の例は以下の通りです。

うつ病・うつ状態
外出に限らず、何もかもが面倒くさい、何もしたくないという気持ちになることは、うつ病の症状の一つです。気分が重い、漠然とした不安やイライラなどの精神症状のほか、不眠や疲労・倦怠感、食欲がなくなったり増加したりして体重が変動するなど、身体的な変化も生じます。

不安障害(社交不安障害・広場恐怖症など)
社交不安障害は、「対人恐怖症」や「赤面恐怖症」などを含む、人前で注目される状況への過剰な不安や恐怖が特徴で、社会的な場面や人との関わりを避けるようになります。その結果、外へ出かけることへの不安や恐怖に繋がり、「出かけたくない」気持ちになることがあります。

広場恐怖症は、何かあったときに逃げられない、または助けを得ることができないと思われる状況や場所に対して強い不安や恐怖を感じる、不安障害の一種です。
強い不安や恐怖を覚える場所を避けようとして、出かけることそのものを回避することがあります。

適応障害
適応障害は、特定のできごとや状況からストレスによる強い負荷がかかり、気分や行動面に症状があわれるものです。様々な症状のために、外出することが難しくなることがあります。

身体的な病気
精神疾患だけでなく、身体的な病気から、外に出かけたくない気持ちへ繋がることも起こり得ます。倦怠感や気力低下を引き起こしている背景に、甲状腺機能低下症慢性疲労症候群といった身体疾患が隠れている可能性もあります。

 

病気の可能性が考えられる場合はどうする?

外に出かけたくない気持ちが続くからといって、病気が原因とは限りませんが、上記のような症状が現れ、病気の可能性が考えられる場合は、できるだけ早く医療機関を受診することをお勧めします。

とはいえ、精神科や心療内科は敷居が高いと感じることもあると思います。

まずは、普段のご自身の状態のことをよく知っているかかりつけの病院がある場合は、そちらへ受診し、気になることを相談してみてください。

身体的な病気がないかをしっかりと調べたうえで、必要であれば心療内科や精神科へ紹介してくれることもあります。

最近は、インターネット上で、自分の状態をチェックするサービスもあります。医師による診断ではないので自己判断で対応することはできませんが、自分の状態を知るきっかけとして活用されるのも良いと思います。

そうしたセルフチェックの結果をもって、必要と思われる場合には精神科、心療内科を受診しましょう。早めの受診、医師への相談をおすすめします。

また、ご本人がすでに出かけることが億劫で受診が難しい場合、ご家族が医師に相談でることもあります。

ご家族の相談を受け付けている病院があれば、そちらへ赴き、ご本人の状態をできるだけ細かく伝え相談してください。

 

出かけたくない状態から脱出するためのステップを解説

「出かけたくない」という気持ちや状態が続いていると、「このままで良いのか」、「何とか現状を変えたいけどどうしたら良いかわからない」という気持ちも出てきます。

そして、不安や緊張と、なんとかしないといけないという気持ちとの狭間で葛藤を抱えることがあります

そのような感覚が出てくることは、しんどいことではあるものの、状況を変えていく最初の一歩ともなり得ます

とあるきっかけから一気に状況が変わる人も居ますが、多くの場合はそのきっかけを掴むまでに様々なステップがあります。

ここでは、そのステップについて解説していきたいと思います。

外出へのスモールステップ

外出へのスモールステップ

自分に対する認識を少し変えてあげよう

まずは大切なのは、自分自身を責めないことです。

どうしても、「このままではいけない」という気持ちから、況を変えられない自分自身を責めてしまいがちになります。

筆者がお話を伺っている方の中にも、『周りと同じようにできない自分はおかしい』、『どうしてみんなと同じようにできないんだろう』と考えて、そんな自分はダメだと自分自身を責めておられる方がいらっしゃます。

しかし、本当にそれほど自分を責めなければいけない状況なのでしょうか

先にも述べたように、「出かけたいのに出かけたくない」気持ちの背景にはさまざまな要因があり、心身ともにとても疲弊してしまうことがあります。そんな時は外に出かける気力が削がれてしまうのは当たり前のことです。

そういうときは、十分に休養が必要な時期なのだと捉え、これまで頑張ってきた自分自身を労い、しっかりと休むことを心がけましょう。

今の自分自身の状態を把握し、自分に対する受け止め方、現状の捉え方を少し変えてあげるだけでも、気持ちが楽になることがあります。

 

行動を少し変えてみよう

十分な休養をとり、心に余裕ができてきたら、行動面でもアクションを起こしてみましょう。日常の行動をほんの少し、変えるだけでも気分が変わることがあります。

一気に行動を変えるとまた疲れてしまう事があるので、スモールステップで、無理のない範囲で徐々に取り組めると良いでしょう。

行動を変えていくステップの例を挙げてみます。

・目が覚めたら、ベッドや布団から少し出てみる
・パジャマから、部屋着など楽な服に着替えてみる
・窓を開けて、外の空気に触れてみる
・自室から出て、他の場所で少し過ごしてみる(家の中で安心できる場所を増やす)
・短時間、家族と一緒に過ごしてみる→徐々に時間を増やす
・玄関に行ってみる→玄関のドアまで行ってみる→ドアを少し開けてみる
→ドアの外に一歩出てみる(少しずつ外に向かってみる)
・玄関の外に30秒いる(しんどいと感じたらすぐ中に入ってOK)
・家の前を少し歩いてみる
・近くの電柱やポストなど大丈夫と思える範囲の場所まで行ってみる
・最寄りの公園、コンビニなどに行ってみる

上記のようなステップは一例です。

あなたにとって安心な場所や状況と、不安に感じる場所や状況をリストアップし、不安が強い順に並べてみてください。

その表の中で、不安が一番小さいことから挑戦し、徐々に不安の強いところにも挑戦していく方法を、段階的暴露療法と言います。

カウンセラーと一緒に、不安に感じる場所や状況を話し合って整理したり、どこから挑戦してみるかを話し合って取り組むこともできます。

行動を変えようと思っていたけどできなかったということも起こりますが、それはそれでOKです。

準備したもののできなかったと、自分を責める必要はありません。今の自分に合ったステップに戻れれば良いのです。

そうやって行きつ戻りつしながら、徐々に進んでいくものです。そして、できたことは「できた」と、自分を褒めてあげることも大切です。

チャレンジしてできたことは、大いに褒めてあげてください。

 

生活習慣を整えよう

決まった予定や外出の必要性がない生活をしていると、就寝や起床時刻がズレて昼夜逆転になったり、食事や入浴の時間がマチマチになったりして、生活リズムが崩れることがあります

生活リズムが崩れると、自律神経のバランスが崩れ精神面で不安定になったり、慢性的な睡眠不足から免疫力の低下を招いて身体的な病気を引き起こしたりするリスクが高まります。

そうしたリスクを少なくするために、決まった時間に起床・就寝するなど、規則正しい生活を心がけましょう

規則正しい生活は、心身の安定に繋がり、特に朝日を浴びることは体内時計をリセットするのに役立ちます。

 

心の安全基地を作ろう

安心して過ごせる場所、しんどい時にそこへ行けば休める場所を作っていきましょう

そういう場所を、「安全基地」と言います。

赤ちゃんは、お母さんやお父さんを「安全基地」にして、日々、新しいものに出会ったり、色んなところを探索したりします。

怖いことや不安に思うことがあると「安全基地」に戻り、そこで安心感を得て、再び探索する力を回復させています。

出かけることが怖いという人の場合でも、「何かあってもここに戻ってくれば安心」という場所があると、そこでエネルギーを回復して次のステップへ進めることがあります。

特定非営利活動法人 KHJ 全国ひきこもり家族会連合会の調査でも、安心できる居場所があること」が、ひきこもりの状態からの回復に関連していることが示されています。

安全基地は、家の中に限りません。静かな公園や、お気に入りのカフェなども安全基地になります。まずは自分がリラックスして、安心して過ごせる場所を見つけてみましょう

 

やってみたいこと、行ってみたい場所をリストアップしてみよう

心身のエネルギーが回復してくると、「◯◯へ行ってみたい」、「△△をやってみようかな」と、意欲が湧いてくることがあります。

しかし、まだ十分に回復していない段階では、「行ってみたいけど不安」、「やってみたいけど怖いな」という風に葛藤が生じることもしばしばです。

この葛藤は自然のことで、不安や怖さを乗り越えるには、スモールステップで成功体験を積んでいくことが重要です。

行ってみたい場所、やってみたいことをリストアップし、そこへ行くこと、それをやってみることへの不安や怖さを数値化してみてください。

そうすることで、今の自分にとって、それらがどれくらいのハードルとなるかを可視化することができます。

また、自分が行きたい場所ややりたいことを書き出すことで、行動を変えていく取り組みへの動機づけにもなります。目標を達成できると、自己肯定感のアップにも繋がります。

漠然とした期待よりも、具体的な目標を立てることで、成功体験へと繋げることがしやすくなります。

 

行きたくない場所、会いたくない人、やりたくないことの特徴を掴もう

これまでは、今のあなたにとって無理なくできること、少しだけ頑張ればできそうなことから考えていく方法をお伝えしていましたが、逆に、絶対に避けたいこと、到底できないと思うことを特定しておくこともできます。

今の段階では絶対に行きたくない場所、会いたくない人、やりたくないことがどういう特徴を持っているかを把握しておくことで、知らず知らずのうちに無理をしてしまうことを防ぐことが狙いです。

こういったことを把握することで、これまでの自分がどういうときに無理をしてきたのかどんな風に我慢してきたのかなどを振り返ることができ、同じような状態に陥ることを防ぐのに役立ちます。

 

少しずつ社会との接点を持ってみよう

自分でできることが増えてきたら、少しずつ、社会との接点を持つことを意識してみましょう。

いきなりたくさんの人が集まるような場所へ行く必要はありません。

まずは家族との交流や親戚とのやり取りなど、相手がどんな人か把握できていて、あなたが安心できる人と繋がっていくと良いでしょう。最初は挨拶一言だけ、などでもOKです。

それができれば、今度は安心できる人と一緒に、少し外に出てみるのも良いでしょう。不安や恐怖があったとしても、一緒にいてくれる人が助けになってくれることで、外で過ごすことの不安を和らげることができます

安心できる相手と一緒に出かけることができるようになったら、またスモールステップで、徐々に他の人との交流の場へ繋がっていく事ができると良いでしょう。

 

まずはここから 〜『居場所』で過ごしてみる〜

社会との接点を作っていくにあたって、『居場所』を利用してみるのもお勧めです。

『居場所』とは、家や学校とは別に、「居心地が良い」と感じられる、安心して過ごせる場所や、他者との関係のことを指します。

実際にどういった『居場所』があるのか、ご紹介します。

自治体やNPOが運営する『居場所』

『居場所』には、様々な形態があります。

『フリースクール』、『フリースペース』という言葉は、耳にされたことがあると思います。最近では、『第三の居場所』、『サードプレイス』という言葉も使われています。

それぞれ、聞いたことはあってもどんなことをしている場なのか、知らない方も多いのではないでしょうか。

どういった場所なのか、以下にまとめてみましたので、『居場所』探しの参考にしていただけると幸いです。

フリースクール
何らかの理由で学校に通えない小中学生などのために学習や生活の支援を行う民間教育施設。
柔軟なカリキュラムで、一人ひとりに合わせた学習の支援を行ったり、安心して過ごせる居場所を提供する。教育相談、体験活動を行っているところもある。
主に不登校の児童生徒を対象としているところが多い。

フリースペース
子どもや若者に『居場所』を提供することに重点を置いている。参加者が何をするか自由に選び過ごすことができる場。いつ来ても、いつ帰っても良い、どのような過ごし方をするかも自由な場所。ボランティアやNPOの運営が多い。
主な対象は不登校の児童生徒のほか、青年期の若者の居場所もある。

地域若者サポートステーション(サポステ)
働くことに悩みを抱える若者を対象に、就労に向けた専門的な相談や支援を行う、厚生労働省が委託した無料の支援機関。働き出すためのサポート、就労後の定着支援を行っている。
対象は15歳〜49歳まで。

ユースセンター
中高生を中心とした、家でもない、学校でもない第三の居場所。
放課後や休日を自由に過ごしたり、同世代の若者(ユースワーカー)や大人との交流、好きなこと・やってみたいことに取り組んで過ごすなど、様々な形で参加できる。専門スタッフも居て相談に乗ってもらうことも可能。
中高生、若者が主体となり、やってみたいことを応援し、実現するサポートが行われる。

 

どんな『居場所』があるの?

実際に、どんな居場所があるのでしょうか?
筆者の活動拠点である関西を例に、いくつかの『居場所』をご紹介します。

青少年活動センター
京都市内などにある施設で、中学生から30歳までの若者が目的を問わず利用でき、自習やサークル活動、雑談などができる。

認定NPO法人D×P
大阪を拠点に、定時制高校でのカフェ事業や、繁華街(グリ下など)に集まる若者向けのフリーカフェ事業・支援拠点を運営している。

公益社団法人兵庫県青少年本部
兵庫県内の青少年の健全な育成を目指し、多様な体験活動の提供、青少年育成団体の支援、専門的な相談事業などを通して県民運動を推進。企業や社会奉仕団体などと連携し、子どもの成長を支援する様々な事業を展開。県内の若者の居場所を下記のページにてまとめている。
兵庫県内の若者の居場所の一覧や概要

こどもソーシャルワークセンター
地域の子どもや若者の生きづらさに対し、専門家が「居場所」を提供したり、行政や地域と連携して必要な支援につないだりする民間の団体相談に乗ったり、学習支援や夜間のお泊まりができる場所を設けたり、社会全体への働きかけを通じて、子どもたちが孤立せず、安心して暮らせるまちづくりを目指す。

自治体・社会福祉協議会
各自治体、社会福祉協議会がひきこもり支援を行っている団体などをまとめた資源マップを作成、公表している。一例を下記に示します。

大阪市 大阪市内にある当事者や家族の居場所一覧
枚方市 青少年サポートマップ/地域資源ブックマーク大阪・北河内エリア版
宇治市 ひきこもり支援マップ
滋賀県社会福祉協議会 ひきこもり支援 資源マップ

ここに記しているのはごく一部の情報です。お住まいの地域で、『居場所』や『資源マップ』と調べていただければ、その地域の情報を見ていただくことができるでしょう。

 

視点を変えてみよう 出かけることだけが正解ではない

ここまで、「出かけたいけど出かけたくない」気持ちになり外出しなくなってから、どうやって再び外出できるようになっていくかを紹介してきました。

しかし、外出することだけが良いこととは限りません

働き方という観点では、テレワークや在宅ワークという勤務形態が定着しつつあります。

余暇の観点では、一人で読書や映画鑑賞など家でできる趣味を楽しむことで充実した時間にできることもあります。

人との関わりも、SNSやメタバースなど、インターネット上で交流できることもあります。

「おうち時間」という言葉があるように、家でゆっくりと過ごせることも、大事なことです。

出かけたくない気持ちになったとき、「何が何でも出かけなければいけない」とは考えなくても大丈夫です。

お家でやりたいことをしてみたり、リラックスして過ごせる方法を見つけたりして、自分自身に無理をさせないように過ごしてみると、「出かけたくない気持ちをなんとかしなきゃ」と縛られることがなくなるかもしれませんね。

 

「どうしたら良いかわからない」と思ったら

相談窓口を活用しよう

今回の記事では、「出かけたくない」気持ちが続いた時、その気持から脱していくステップを紹介しましたが、全てが自分ひとりでできるとは限りません。

一体何をどうしたら良いのか、何から始めれば良いのか分からず、混乱してしまうことも自然なことです。

そんな時は、誰かに相談することで現状や気持ちを整理することができるかもしれません。

身近な、信頼できる人に話を聞いてもらうことも有効でしょう。

その他に、自治体や民間団体が専用の相談窓口を設けていることもあるので、そちらを活用してみることも考えてみてください。

相談は、窓口へ行くだけでなく、電話やメール、SNSで受け付けているところもあります。

また、匿名で相談することも可能なので、これからどうしたら良いか迷ったら、相談窓口の活用をお勧めします。

相談先の例
📞 こころの健康相談統一ダイヤル
  0570-064-556(全国どこからでも)
🌐 子ども・若者総合相談センター
 (こども家庭庁 子ども・若者総合相談センター所在地一覧を公表されている)

 

カウンセリングも少しは役に立つかもしれない

「出かけたいのに出かけたくない」。そんな気持ちが続いていて、何とかしたいけれどどうすれば良いのか分からない。

そんな時は、カウンセリングも少し、お役に立つかもしれません

これは筆者の経験ですが、『居場所』に来られている方や定期的な相談で繋がっている方は、はじめは不安がいっぱいでどうしたら良いか分からないと仰る方が多いです。

しかし、何度かお会いして話をしていると、「今、何が心配になっているのか」、「何がしんどいと感じているのか」ということに気づくことで、少し安心されます。

その安心感を足がかりに、物事の捉え方(認知)の癖や行動パターンを捉え、少し変えてみることに取り組むことができるようになっていかれます。

スモールステップで、行きつ戻りつしながら現状を話し合うことで、「今度はこうしてみたほうが良いと思う」など、自分自身で次にやることを見つけるようになり、さらに「こうやってみたんですけど」と自分で取り組んだことを報告してくださることもあります。

このように、カウンセリングを継続する中で取っ掛かりがあると、皆さん、ご自身の力で変化していかれます

中には、「また必要になったら相談に来ます」と仰って、久しぶりにご連絡を頂いたときには特にカウンセリングは必要なく、ご自身で見つけた『居場所』があることを話してくださった方もいます。

このような経験から、今、外に出かけていくことがしんどい状態にある方にとって、カウンセリングが役に立つこともあると考えています。

いろいろな情報や方法がありますが、カウンセリングも、あなたの役に立つかもしれないと知っていていただけると嬉しいです。

カウンセリング

 

今後の投稿でも、知っていてもらえると良いなと思う心理学の知識をお届けします。

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